のどの病気-喘息・咳喘息とは
気管支喘息は、慢性的に気道に炎症がおこっており、それが原因で気道が狭くなり、咳や息苦しさをくり返す病気です。
呼気一酸化窒素検査とは
喘息の患者さんの気道には炎症があり、炎症性の刺激により、大量の一酸化窒素が量産されています。その為、呼気中の一酸化窒素濃度を測定することで、喘息の診断をする検査です。
隠れ喘息とは
「風邪はとっくに治ったはずなのに、咳だけがいっこうに治まらない」「夜、ひどい咳が出て眠れない」「最近、胸が重苦しく感じるようになってきた」といった「本当は喘息を患っているのに、それを放置している」人たちのことを指します。喘息全体の30~40%を占めているともいわれています。
普通の咳と喘息の咳とのちがい
風邪の咳 | 喘息の咳 | |
---|---|---|
どの位続くか | 3週間以内 | 1~2ヶ月 |
いつ咳がでるか | 1日中 | 深夜~明け方にかけて ひどく咳がでて目覚める |
どこででるか | ー | 特定の場所 (人ごみ、会話、寒暖の差) |
喘息と咳喘息
共通点
- 発作時に激しい咳が出る
- 夜中に~明け方にかけて激しい咳がでる
- 種々のアレルゲン、寒暖の差、タバコの煙、他人の香水の香り、長話などが誘因となる。
- 市販の咳止めでは治らない
- 気管支拡張薬、吸入ステロイド薬でいったん症状は治まる
相違点
- 咳喘息では「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘息はない
- 咳喘息では息苦しいなどの呼吸困難はない
- 咳喘息ではほとんど痰はからまない
- 咳喘息では1~2ヶ月の薬物治療で症状は治まる
非常に似ている症状の多い両者ですが、咳喘息の段階で治療を継続すれば 気管支喘息に移行せずにすみます。 その為に、呼気一酸化窒素検査を行います。
一酸化窒素検査の目的
- 喘息の疑い(かくれ喘息の可能性)のある方の診断のため
- 舌下免疫療法(シダキュア、ミティキュア)を希望される方の適応
→喘息の疑いがあると、アナフィラキシーショックをおこしやすい為、治療を受けられません - 喘息の治療効果、経過をみる為に行います
一酸化窒素検査の仕方
- 思いっきり息を吐き出す
- 専用のマウスピースをくわえて、大きく息を吸い込む
- 10秒間で息を吐き出す
- 1分後に結果を表示
日本人の呼気一酸化窒素濃度正常値
正常値は15ppbです。22ppb以上なら、喘息の可能性が高く、37ppb以上なら、喘息と診断できます。一酸化窒素が高値なら、ステロイドの吸入が有効であり、治療の必要性が生じます。
適切な治療で、一酸化窒素が低下する為、治療効果の判定や薬の増減に役立ちます。
喘息・咳喘息の治療
通常の風邪薬や抗生物質、咳止めは効きません。
吸入ステロイド薬や気管支拡張薬が効果があり、特に咳喘息は気管支喘息へ移行する可能性を軽減できます。